ペットとして犬を飼うということについてあらためて考えてみました

人間とともにペットにも高齢化が

今や少子高齢化社会となってしまった日本ですが、子どもの人口は減りつつあるものの、世帯におけるペットの数は増えているとも言われています。なかでも、ネコと犬は群を抜いており、最近ではネコの方が飼われている数が犬を上回ったといったニュースも耳に飛び込んでくるほどです。

それでも、犬を飼うことのできる、いわゆる「ペット飼育可」のマンションやアパートといった集合住宅物件も増えてきており、それだけペットの需要があるということの裏付けとなっています。

一戸建てのお庭のあるような住居に住んでいる人であれば、そのまま屋外で犬小屋を設けて飼うことも可能でしょうが、狭い都会に住んでいれば、だいたいが一人か二人世帯で、室内犬を飼っているようです。

そこで選ばれる犬種も、部屋の中でも比較的飼いやすい小型犬が多くなっています。

そのことにより、大きく育ってしまうと売れなくなるといった問題が起こり、ペットショップでも犬に対する動物虐待とも取れるような扱いが後を絶たないことも看過できない現象となっています。

小さい方が売れるからということで、なるべく早いうちに母犬から引き離し、まだ乳飲み子である仔犬の状態で販売しているお店も少なくありません。

さらに、販売中にも大きくなることを遅らせようとして、仔犬が育つために必要となる栄養価に満たない、ほんの少しの食餌しか与えないといったこともあるそうです。

犬にまつわる社会問題はそれだけではありません。

実際にペットとして犬を飼っているご家庭も、犬の寿命が伸びていることによって、さまざまなトラブルに見舞われることが予想されるのです。

ペットの長生きへの対応

具体的には、医学の進歩とドッグフードの品質向上により、長生きができることになった犬が増えたことにより、結果的に人間と同じように、犬の介護問題が出てきました。

長く生きればそれだけ病気や怪我をする可能性が出てきますし、ただでさえ、飼い主さんが高齢であったりすれば、犬の世話にそこまで手間暇がかけられないといったリスクもないわけではありません。

介護が必要となった犬を専門の施設に引き渡すことで代わりに面倒を見てもらうといったサービスも出てきているそうですが、飼い主さんにとっても犬にとっても、それが果たして幸せなことなのかと疑問が残ります。

そういった観点で、ペットを飼育すること、また安易な気持ちで犬を飼うということは、やはりこれからの時代、一筋縄でいくわけでないので、多少の困難を伴うものとなってきているようにも感じられ、あらためて考えさせられてしまいました。